個別原価管理の本質はコスト(労務費・経費など)の直接費・間接費へのアサイン(振り分け)といえます。A-Signでは、リソースをプロジェクトやタスクにアサイン(振り分け)することにより個別原価管理を実現しています。
現在多くの企業では、労務費の大部分がホワイトカラーによる間接費になっており、1人が様々な作業を行うのが通常です。そのような状況でリソースに対して直接人員・間接人員という属性をつけてしまうと、直接人員の間接費、間接人員の直接費などが恒常的に発生してしまうので、リソースに対するこういった区分は無意味となります。
A-Signでは、直接費・間接費という区分は、リソースではなくプロジェクトやタスクに対する属性としています。
リソースとプロジェクトやタスクを多対多にアサインさせることにより、リソース原価とプロジェクト原価を明確に識別しているのです。
これにより標準原価や実際原価などをシステム的に処理でき、またコストとバリューの関係を直感的に把握できます。
また、間接費については活動基準原価計算(ABC)を利用できます。
+個別原価管理からEVM(アーンドバリュー管理)へ
A-Signでは、プロジェクトという期間性のある「製品」の原価管理を行うために、
コストのアサイン(振り分け)を、時系列(ガントチャート上)そして計画段階で行います。
これにより個別原価管理がEVM(計画原価・実際原価・進捗原価の管理)に自然に拡張されます。
このように、A-Signではプロジェクト別個別原価管理とEVMが統合的に実装されています。
実際、A-Signでは、個別原価管理に下記の機能を加えて自然にEVMとして拡張させています。
◆個別原価管理のアサイン(振り分け)を時系列(ガントチャート上)で行う。
◆個別原価管理のアサイン(振り分け)を計画段階で行う。
◆PV(計画原価)とAC(実際原価)だけでなく、EV(進捗原価)も管理する。
個別原価管理でのアサインとEVMでのアサイン
個別原価管理での アサイン |
コスト(労務費・経費など)の 直接費・間接費への振り分け |
リソースとプロジェクトの 多対多のアサイン |
EVMでの アサイン |
振り分けたコストを時系列で 計画原価・実際原価・進捗を管理 |
アサインされた PV・AC・EVの管理 |
+プロジェクト別原価計算
リソースのアサイン
リソース別原価をプロジェクトにアサイン(振り分け)することによりプロジェクト別個別原価管理を行います。
プロジェクト別個別原価管理は、下記のとおりEVMと対応します。
個別原価管理とEVMにおけるコストの関係
マクロコストとはリソースの月単位のコストから按分して得られるコストであり、
ミクロコストとは単価×時間で算定されるコストです。
それぞれ原価管理とEVMに下記のとおり対応しています。
マクロコスト |
月次PV・AC |
月単位のリソース別コスト(計画・実績)を 作業時間によりPJ別に按分したコスト (例)実際原価 |
ミクロコスト |
日次PV・AC |
単価×時間で算定されるコスト (例)標準原価 |
原価差異 |
実績係数=実際原価÷標準原価 を利用して実際単価、PJ別日次ACを算定。
PJ別日次ACは原価差異が解消されており、 実際原価と一致しています。 |
原価差異=標準原価−実際原価 |
+間接費:リソース集計・部門集計・ 活動集計(ABC)
プロジェクト・リソースの直間識別
プロジェクトの直間識別
◆直接プロジェクト:受注金額などのバリューのある直接費用のプロジェクト
◆間接プロジェクト:バリューのない間接費用のプロジェクト
リソースの直間識別
◆通常リソース原価
1人のスタッフが、直接業務・間接業務など様々な作業を行う場合は、通常リソース原価として識別します。
◆間接リソース原価
リソース原価がすべて間接費になる場合は、間接リソース原価として識別します。
間接リソース原価の例)
・複数プロジェクトを担当する事務スタッフのコスト
・リソースの標準単価から分離された交通費などの諸手当
・期間費用(一般管理費など)
間接費の集計単位
配賦基準の識別に依存して、間接費の集計単位を決定します。
間接リソースで間接費を集計
配賦基準が時間の場合は、間接リソースで間接費を集計します。
この場合、間接費は1つのリソースで構成される必要があります。
【A-Signでの処理】
間接費用のための間接リソースを作成します。
間接リソース原価を直接プロジェクトに直課(アサイン)します。
間接プロジェクトで間接費を集計
配賦基準が時間以外の場合、間接プロジェクトで間接費を集計します。
この場合、間接費は複数のリソースで構成されても構いません。
集計単位(間接プロジェクト)は下記の2種類が考えられます。
| ◆部門で集計 | いわゆる部門別原価計算です。
| | ◆活動(プロジェクト・タスク)で集計 | いわゆる活動基準原価計算(ABC)です。
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※活動の定義・粒度の決定は困難ですが、通常、活動で集計(コストプール)した方が配賦基準は正確になります。
【A-Signでの処理】
間接部門費または間接活動費のための間接プロジェクトを作成します。
間接プロジェクト原価を任意の配賦基準で、通常プロジェクトに配賦します。
+リソースの実際原価・標準原価の算出
A-Signでは、リソース原価をアサインや配賦することによりプロジェクト別原価を算出できることを見てきましたが、ここでは発生源としての原価であるリソース原価の算出方法を見ていきます。
自社従業員の場合
給与支払金額から標準単価の対象となる支給賃金を抽出
標準単価を算出する際は、給与支払金額から一般管理費を分離することが重要なポイントになります。
実際、超過勤務手当や交通費などの諸手当を一般管理費として分離する場合は、
それら手当てを、標準単価の対象となる支給賃金から控除し別途間接費用リソースとして費用計上します。
また、保険などの控除額などにも注意し、標準単価の対象となる支給賃金を識別します。
支給賃金から当月実際原価を算出
給与計算期間が20日締めなどの場合、原価計算期間(月単位)とのズレが生じます。
下記のとおり加減調整し、当月実際原価を算出します。
当月実際原価=支給賃金−前月未払額+当月未払額
当月実際原価から標準単価を算出
標準単価=当月実際原価÷1ヶ月の平均就業時間 とします。
また、就業時間=実働時間(管理対象)+手待時間として手待時間を容認する場合は、
標準単価=当月実際原価÷1ヶ月の平均実働時間 とします。
標準原価を算出
コンティンジェンシー予備(単価や時間の変動リスク)として、リソースの想定係数を算定します。
例えば、下記のとおり算定します。
リソースの想定係数=リソースの1ヶ月の平均就業時間÷リソース全体の平均就業時間
そして、下記のとおり標準原価を算出します。
リソースの標準原価
=標準単価×リソース全体の平均就業時間×リソースの想定係数
≒標準単価×1ヶ月の平均就業時間
外注の場合
リソースの粒度決定
外注リソースは、作業時間や進捗を管理できるようにリソースの粒度を決定します。
実際、個人、チーム、会社などを1つの外注リソースとします。
◆作業時間管理によるリソース識別
外注リソースが複数プロジェクトを担当する場合、プロジェクト別作業時間を管理する必要があります。
よって、プロジェクト別作業時間が把握できる程度には、リソースを識別します。
派遣契約でなく委託契約や請負契約の場合は、作業指示は外注の責任者が行う必要がありますが、
外注の責任者からプロジェクト別作業時間の報告を受けることにはコンプライアンス上の問題はありません。
◆進捗管理によるリソース識別
進捗管理が把握できる程度には、リソースを識別します。
リソースごとの実際原価を算出
支払金額は、月単位・期間単位・一括固定などがあります。支払金額をリソース・月単位に識別し、月別実際原価とします。
発注契約金額または実際原価から標準単価を算出
発注契約金額は月単価・日単価・時間単価・一括固定金額など様々です。発注契約金額の種類に応じて標準単価(月単価・時間単価)を算出します。また、実際原価が算出されている場合は、より精度のいい実際原価を利用して標準単価(月単価・時間単価)を算出します。
標準原価を算出
自社従業員と同様の方法で標準原価を算出します。
原価管理とホワイトカラー
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